『天国からの演奏家たち』

カルチャー池田卓夫

著者:池田卓夫

ISBN:978-4792607432

判型:四六判/並製

定価:2200円(税込み)

音楽ジャーナリスト池田卓夫が、舞台だけではない演奏家たちの強烈な個性を記しました。

アンドレア・バッティストーニ(Andrea Battistoni=東京フィルハーモニー交響楽団首席指揮者)―良い音楽ジャーナリストは優れた音楽知識、新たなものへの好奇心、鋭いペン、そしてある種の皮肉のセンス(アイロニー)を持たなければなりません。池田卓 夫さんはそのすべてを兼ね備え、さらに楽譜や歌、アーティストに対し真の献身 を捧げます。彼と音楽について話したり、インタビューを受けたりするのはいつ も、私の楽しみです。

目次

Vol.1 アイザック・スターン ヴァイオリンの謙虚な「王様」
Vol.2 ヘルベルト・フォン・カラヤン 日本では発揮することなく終わった「カペルマイスター」の真価
Vol.3 中村紘子 勝気でシャイ、最期まで努力家だった「天才少女」
Vol.4 栗本尊子 大正・昭和・平成を生き抜いた偉大な歌の女神
Vol.5 クラウディオ・アバド 「本番憑依」の天才、パスタ談義で盛り上がる
Vol.6 武満徹 取っつきにくい風貌、だが「話せばわかる」宇宙人
Vol.7 イダ・ヘンデル アルゲリッチを〝特訓〟した作曲家の使徒
Vol.8 ラドミル・エリシュカ 札響をこよなく愛したチェコの名匠
Vol.9 マリス・ヤンソンス 「命がけ」で全身全霊切り刻み、音楽と人間に尽くす
Vol.10 ヘルマン・プライ 自然児パパゲーノのように…、天衣無縫の人生を全う
Vol.11 イヴリー・ギトリス クリスマス・イヴに「星」となったヴァイオリンの怪人
Vol.12 アリシア・デ・ラローチャ 小さな手の大きな「ピアノの女王」
Vol.13 ジェリー・ハドレー あまりに「いい人」過ぎた米国人テノールの蹉跌
Vol.14 ニコラウス・アーノンクール 「基本は一人の再現芸術家」の分をわきまえる
Vol.15 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ 最後まで舞台人の矜持を護った歌のエンサイクロペディスト
Vol.16 クラウディオ・アラウ 「リストのそばにいた」巨匠ピアニスト
Vol.17 ロリン・マゼール 稀代の「指揮ヴィルトゥオーゾ」の光と影
Vol.18 ヤーノシュ・シュタルケル 「気は優しくて力持ち」のチェロ名人
Vol.19 セルジュ・チェリビダッケ 実は人懐こかった孤高のマエストロ
Vol.20 エディタ・グルベローヴァ 孤高、永遠の「ルチア」&「ツェルビネッタ」
Vol.21 ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス ブラームスを愛し、愛された「スペインのドイツ人」
Vol.22 アルド・チッコリーニ 「望郷の念」を歌い上げて日本に別れを告げた「パリのイタリア人」
Vol.23 朝比奈隆 「明治人の教養」を体現した巨木のようなマエストロの〝人くささ〟
Vol.24 渡邉曉雄 「日本フィルの父」、世界に人脈を広げた外柔内剛のモダニスト
Vol.25 山田一雄 「指揮台の万年青年ヤマカズ」、マーラー孫弟子の自負にかけて
Vol.26 岩城宏之 木琴から半音に目覚め、指揮者になった昭和の快男児
Vol.27 若杉弘 オペラに生涯を捧げた哲人マエストロ
Vol.28 大町陽一郎 楽長らしく豪快にざっくりと、欧州楽壇で活躍
Vol.29 テレサ・ベルガンサ 「ベルカントの源流」自負、メゾの頂点極める
Vol.30 ジュゼッペ・シノーポリ R・シュトラウスの作曲技法を熱く語る

あとがき〜プロブレムはプロブレム、そのままで